仙人か美女か どちらが幸せ?

詳説 老子伝 王徳有著 徐海訳 地湧社 より抜粋
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老子の御者、徐甲は、青い牛を引いて裏に回り、

青牛に餌をやってからあてがわれた自分の部屋に入り、一息ついていた。

すると、突然戸を叩く音がする。

「誰だい」

「あの、関令様の女中の翠玉と申しますが」

若い女の声である。

「何の用だね」

「関令様のお申し付けで、お茶をお持ちいたしました」

「ああ、せかっくだがもうお茶は済んだ。戻っていいよ」

「でも・・・旦那様のお申しつけですから、お茶をお出ししなければ叱られます。

どうぞ戸を開けてくださいませ」

か細い声でそう言われてはしかたなく、徐甲は開けた。

一人の美女が軽やかに部屋に入ってきた。

年の頃は十八、九というところだろうか、

雪のような肌、紅い唇、目元は涼やかに、輝くような美しい歯だ。

紫の上衣に淡い青のもすそが翻る。

細い手にお盆を捧げ持ち、恥じらいの表情に憂いが潜んでいる。

徐甲はしばらく見とれてしまった。

二百年ばかり生きてきたが、こんな美人は見たことがない、

天女が舞い下りたんじゃなかろうか。

「お茶をどうぞ」

その声に聞き惚れながら徐甲はお茶を受け取ったが、

盆にはめこまれた玉のような華奢で白い手が目に入り、ぼうっとなっている。

翠玉はそんな徐甲を見ると、顔を少し赤らめてくすっと笑った。

徐甲は我に返り、自分の失態にうろたえながら慌てて茶を口にした。

香気が花をくすぐった。

こくがあり甘やかで、茶のような茶でないような、

仙界の飲み物かと思われる美味であった。

「け、けっこうなお味で」

「お口に合いましたでしょうか」と翠玉が訊いてきた。

「もちろんですとも。何というか、こう、香り高く、甘く、濃厚で、

飲み干したあとも味わいが残るんですね。

とても口では言い尽くせませんな」

翠玉は一瞬花が咲いたように何か言いかけたが、

すぐに憂いの顔になり、ため息を付いて出て行こうとする。

涙ぐんでいるようにも思われた。

徐甲はその様子を見逃さない。

不憫に思って、思わず

「何かお困りなんですか?言いかけて止めるなんて水臭い、よければ話してください」

と言ってしまった。

翠玉は袖を目頭に当てると、

「お話しても詮無いことですは」と悲しげに言うのだった。

「どうぞ聞かせてください。できることがあれば、何でも力になりますよ」と徐甲は促した。

「はい、それではあなただけにお話いたします。でも決して人に話さないでくださいね、

でないと私、恥ずかしくて・・」

「ああ、決して誰にも話さない。あなたと私だけの秘密だ」と徐甲は言った。

翠玉は心を決めたらしく、向き直って、恥じらいを体中に表わして話しだした。

「私は小さい時から関令様にお仕えし、可愛がられて参りました。

関令様は三年ほど前から、誰かいい人がいたら嫁に出してやる、とおっしゃってくださいます。

私は桂花の蜜でお茶を作るのが得意なのですが、これはおちゃのようなお茶でないような、

香り高く、甘く濃い味がいたします。

これを味わってくださる方でなければ心を開くまい、嫁には行くまいと決めておりました。

けれども、三年も経ったのにそんな方は一人もおりません。

私はもう十八になってしまいました。

このまま年老いてゆかねばならないのかと、それが悲しいのでございます」

翠玉はか細い声で言いながら涙で袖を濡すのだった。

徐甲は胸の疼きを覚えたが、慰める言葉もなく、どうして良いかわからない。

ただもうむやみに拳を握りしめたり、袖口を引っぱたりするだけである。

しばらく泣いたあと、

翠玉は「今日、あなたが初めて桂花のお茶の味を味わい分けてくださいました。

三年間待ち続けたお方とお会いすることができた。

嬉しかったです。

でも、ただのぬか喜びですわ。

あなたはあのご老人と一緒に西へお行きになる。

私はまた一人。そう思うと、悲しくて・・・」

と言って、また泣き始めた。

思いがけぬ恋の告白に、徐甲はすっかり舞い上がり、心は千々に乱れるばかり。

天下に美女多しと言えども、これほどの美形はあるまい。

こんな女がおれと一緒になってくれるならたとえ火の中水の中、

いや地獄の底まで行こうと言うもんだ。

しばらくあれこれと思いをめぐらした後、

「私はもう二百歳を過ぎている。

あなたのような娘さんとじゃ釣り合わないんじゃないかね?」と言ってみた。

翠玉は徐甲の心が動いたことを察し、

一転喜びの表情を浮かべて

「いいえ、いいえ、夫婦にとって大切なのは思いやりと愛情ですわ。

お年のことなんておっしゃらないで。

やっと大切な人にめぐり会えたんですもの。

おそばに置いてさえいただければ、どんな辛いことにも耐えられます」

と優しい声で言い、情を込めた目でじっと徐甲を見つめるのだった。

すがりつくようなその目を見ると、

徐甲は全身がしびれあがり熱い血が駆け巡るように思われた。

情熱の海に落ちた彼はもはやそこから脱け出すことはできない。

震える声でやっと、

「あなたが望むなら、私はこれからはあなたの御者になりましょう」と言った。

それを聞いて、翠玉は心の底から喜んだようで、

「ああ、嬉しい。あなたのお心は一生忘れません。どうぞ末長く可愛がってくださいませ」

と言って、徐甲に寄り添った。

さて、そうなると徐甲は翠玉にすっかりのぼせあがり、

ここに残って婿になるときめたものの、彼女が帰った後、

歓喜と不安がない交ぜになって、一晩中眠れなかった。

この世で一番優しく美しい妻を得たことの幸せと、

ともに西へ行くという老子との約束を破ることの後ろめたさだ。

彼はまんじりともせず、何回も寝返りを打っていたが、とうとういい手を思いついた。

夜が明けるのを待ちかねて、徐甲はは関令の部屋を訪れた。

伊喜は起きたばかりだったが、徐甲を見ると、

「徐甲様、おはようございます。何かご用ですか」と呼びかけた。

徐甲はなかなか言い出しかねていたが、やっとのことで

「あの、お話があるのですが、果たして申し上げてよいものかどうか・・・」と口を開いた。

「どうぞ、どうぞ、ご遠慮なくおっしゃってください」

「実は、私は、主老子様に二百年お仕えしていますが、まだ、お給金を頂いたことがありません。

おまけに、今回は西の流砂の諸国へむりやりに伴をさせられました。

私は行きたくないと言ったのですが、老子様はそれでは給金を払わないとおっしゃるのです。

それでお願いなのですが、どうぞ関令様殻、徐甲に給金を払うようお口添えをいただけませんか。

私は関内に残って暮らしたいのです。お願い致します。」

それを聞いて、伊喜はちょっと不思議に思って、

「お給金はどのくらいたまっているのですか」と尋ねた。

「一日に百銭ですから、全部合わせて七百三十万銭になります」

伊喜はますます奇怪なことに思って、

「二百年もお給金をもらわずに、どうして暮らして来られたのですか」とさらに尋ねた。

「いえ、それは老子様のために毎日牛を索いていましたから、

その行く先々で食べ物はありましたし
それに食べなくても別段お腹が空いたとは感じなかったのです」

「まあともかく、一緒にご主人様のところに行きましょう」と言うと、

伊喜は徐甲とともに老子に会いに行った。

老子は二人を見ると、伊喜が口を開くのを待たず、

「わしにお金をもらいに来たのだね」 と先に声をかけた。

徐甲はは縮こまって伊喜の後ろに隠れ答えようとしなかったので、

伊喜はは手を合わせて

「仙人のおっしゃる通りです」と答えた。

徐甲、見よ!」老子はそう言うと、手に持った吉祥草を一吹きした。

すると、草は一人の美女に変わり、ふわりと床に降り立った。

翠玉だ。徐甲は仰天した。

老子は、「金は一時のもの、この身は宝の中の宝だ。

お前さんはわしに二百年の余もつき従ってきた。

わしが『陽生符』をその体につけておいたから、その間お前は寿命を保ってきたのだ。

長生を得た以上、金が何の役に立つか。西へ向かうこの折に、

お前を教えて仙とさせるつもりだったが、その志がどんなものか危ぶんで、

吉祥草を美女に変え試練を与えたのだ。果たしてお前は耐えられなかった。

『朽木は彫るべからず』とはよく言ったものだな」

そう叱責すると、老子はまた息を一吹き。

すると翠玉は赤い絹の包に変わって徐甲の前に飛んできた。

包が自然にほどけると、中から黄金千両が現れた。

「さあ、今日までの給金だ。毎日苦労してくれた分も足してある。これで充分だろう」老子が言う。

徐甲は口をぽかんとあけたまま、どうしたらよいかわからずにいる。

「ただし『陽生符』は返してもらうぞ」すると徐甲の口から、

赤い絹に何やら金文字が書かれた符が飛び出した。

同時に、徐甲はあっという間に骨になって崩れ落ちた。

黄金もいつしか消え失せてしまった。

この光景を見て、伊喜は、恐ろしいながらも哀れを催し、徐甲のためにひざまずいて

「神仙、どうぞ徐甲の罪をお許しください。徐甲は志が固まっていなかったとは言え、

二百年の長い間お仕えし、苦労をしてきた者です。

どうかいま一度身を修める機会をお与えくださるようお願い致します」と老子に願った。

老子は、伊喜の慈しみの心を尊重し、三たび息を吹きかけた。

すると、『陽生符』が飛んで徐甲の骨の上に落ちた。

徐甲は生き返り、老子の恩に感謝して何度も拝む。

老子は、

「生き返らせてはやったが、もうわしのために牛車を御す必要はない。

これからは自分で生きてゆくのだ。」と言った。

徐甲はひれ伏して、そばに置いてくれるように願ったが、それは許されなかった。

「仙術を修めることは結局自分自身の問題だ。

誠の決心がなければわしのそばにいても仕方がなく、

誠の心があればわしの元を離れても仙に成れる。

まあ、しっかりやることだ。いずれまた会える時もあるだろう」そう老子は言った。

徐甲は老子と別れざるを得なかった。

伊喜は老子の代わりに七百三十万銭を与えようとしたが、徐甲は受けようとしない。

それを見た老子が

「受けなさい。今までわしとともにいたときは衣食を心配する必要もなかったが、

これからは一人だ。金がないといろいろと困るだろう」と言うので、

徐甲は涙ながらに金を取り、どこへともなく去って行った。

エピローグ
やがてついに老子の教化を受けて、仙人になったと言うことである。

さて、神仙になるのと美女と暮らすのと、どっちが幸せだと思いますか?

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